貸借対照表について【完】
流動資産と流動負債のバランスが企業の短期的な安全性にとって大切なことは過去にお話しましたが、貸借対照表は下図のように常にそれが調べやすいように表示されている訳ではありません。
そこで次のような表示はいかがでしょうか?
安全資産とは私が勝手に名称を付したものですが、要するに短期的な企業の安全性を残高で示したものです。
この残高が大きければ大きいほど短期的な安全性は高くなります。
この安全資産の残高を自社の定期支出(給与、リース、家賃等)と比べて足りるのか、足りないのか、足りるなら何か月分までまかなえるのかなど
調べてみるのも面白いと思います。
次に、貸借対照表内の項目表示順も例えば下図のように金額の大きい順に並べてみると違うものが見えてくるかもしれません。
流動資産の一番大きい項目は商品であり、流動負債の一番大きい項目は借入金でした。
なんだか安全資産の残高も不安になってきませんか?
最後はおまけですが、一口に安全資産といっても一つのかたまりとしての話なので、来月の安全性、再来月以降の安全性などを詳細に示すわけではありません。
そこで下図はどうでしょうか?
項目名も全て無視して、来月のお金は足りるのか、再来月はどうなのかだけに目的を絞った表示です。これを貸借対照表と呼ぶのかは置いておいて、細かく分解していけば本当は自分自身が知りたい色々な情報が詰まっているのが貸借対照表なのだと皆様がこれをきっかけに興味をお持ち頂ければ幸いです。
複数回にわたってお伝えしてきた貸借対照表のお話ですが、今回をもって一旦終了とさせて頂きます。
お付き合いありがとうございました。
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